夏休みも残すところあと10日ほどになりました。
今年は緊急事態宣言下でもあり、せっかくの夏休みなのになかな遠出もできず残念です。
暑くて一日中、家の中なんてことも多かったのではないでしょうか?
子どもたちとの毎日の関わりの中で、つい感情的に怒ってしまうこともあったりしませんか?
そんなお疲れ気味のお母さま方に参考になる記事を見つけました。
〈教育〉 気持ちが伝わる上手な怒り方
「思い込み」と「事実」を整理しよう
日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤俊介さん
「また怒っちゃった」「何度も言ってるのに」「もう怒りたくない」――もしかして、その原因は、親がなぜ怒っているのかが、きちんと子どもに伝わっていないからかもしれません。今回は、日本アンガーマネジメント協会の代表理事・安藤俊介さんに、子どもに気持ちが伝わる上手な怒り方や、気を付けたい言葉遣いについて聞きました。
具体的にリクエストを伝える
子どもを怒るたびに罪悪感を持ってしまう方は多いのではないでしょうか。しかし、怒ることそのものは悪いことではありません。むしろ、怒りというのは防衛感情といって、自分の身を守るため、大切な子どもを守るために出る自然な感情です。ですから大事なのは「怒らないようにすること」ではなく、「相手に気持ちが伝わる怒り方をすること」です。
そのためにまず意識してほしいのは、「リクエストを具体的に優しく伝えること」。実は怒ることの根底には「自分のリクエストを通したい」という意思が隠されています。例えば、遊び終わったおもちゃを片付けてほしいとき、「ちゃんと片付けなさい!」と怒鳴るだけでは、親のリクエストがうまく伝わりません。
相手にお願いしたい行動や、なんでそうしてほしいのかという理由、やり方まで具体的に優しく伝えてあげてください。「間違って踏んづけたら、おもちゃも○○ちゃんもお互い悲しいから、遊び終わったおもちゃは出した場所に元通りしまってね」。こう言う方が、子どもがリクエストに応えてくれる可能性はぐっと高まります。
また、“怒る基準”を親が変えないことも大切です。同じことをしても、ある日は怒ったけれど、別の日には怒らないとなると、子どもは「この前は、怒らなかったのに」と不満を抱きます。子どもを怒るときは、具体的にリクエストを伝え、その後も基準を変えないように意識してみてください。
つい言いたくなるNGワード
怒るときに、つい言いたくなってしまう「NGワード」にも気を付けましょう。
NGワードは4種類あります。一つ目は「前もそうだった」「何度も言っているのに」。過去の話題を持ち出すと、「なぜいまさら?」と親への不信感を招きます。
二つ目は「なんで?」「どうして?」。例えば、ジュースをこぼしてしまった時に「なんで?」と言われても、子どももどうしてこぼしたのか分からない。しかも、親もこぼした理由を知りたいわけじゃありませんよね。「なんで?」には相手を責めるニュアンスもある。あまり言い過ぎると、子どもは逃げ出したい気持ちになってしまいます。
三つ目は「いつも」「絶対」「必ず」です。これは相手を決め付けたり、怒りを強調したりする言葉。こう言われた子どもは、きっと心の中で「いつもじゃないのに……」と思っています。
そして、四つ目は「ちゃんと」「きちんと」「しっかり」といった、程度を表す言葉です。程度は人によって基準が違うため誤解を生みやすく、気持ちが正しく伝わりづらいもの。「何度も言ってるけど」「なんで」「いつも」「ちゃんとできないの!」などと言ってしまわないよう、NGワードを意識しましょう。
怒り過ぎないための工夫も
あと、考えてほしいのは、「思い込みで怒っていないか」という点です。
私たちは夫婦のアンガーマネジメントのカウンセリングをするとき、徹底的に「事実か思い込みか」を整理していきます。例えば「全然手伝ってくれない」と言っていたら本当に“全然”かどうか、「寝てばっかりなんです」と聞けば、本当に“ばっかり”かどうかを確認する。すると、思い込みで怒っていることもかなり多いことが分かってきます。子どもに対しても、できるだけ思い込みを排し、事実のみで怒るようにすれば、「ちゃんと見てくれているんだ」との信頼にもつながります。
また、必要以上に怒り過ぎないために、親自身が「自分はどういうときに感情的になってしまうか」を覚えておくことも大事です。人はマイナスな感情(悲しい、つらい、苦しい、寂しいなど)やマイナスな状態(空腹、睡眠不足、疲労など)が大きいほど、ふとしたきっかけで生まれた怒りの感情が大きくなりやすい。もし、怒り過ぎてしまったら、すぐに謝りましょう。親が間違えたときに謝る姿を子どもに見せることで、「間違ったら謝る」ということを教えることになります。
ともあれ、人は誰だって間違えます。それが子どもなら、なおさらです。何か間違いをしたからといって、決して性格や人格まで否定してはいけません。ましてや、「○○ちゃんはできているのに」などと他人と比べる必要も全くありません。親子で「何が良くないのか」を明確にし、「どうしたらいいのか」を一緒に決めていく。そんな風に上手に怒られて育ったお子さんは、きっと将来、自分の気持ちを上手に相手に伝えられる大人になっていくと思います。
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